もう「ゴミの島」と言わせない
豊島産廃不法投棄、終わりなき闘い
石井亨 著
判型:四六並製
定価:3,240円
頁数:400ページ
発刊:2018/03
ISBN-13: 9784865781717
発行: 藤原書店
産廃90万トン全量撤去という「奇跡」は、なぜ実現できたのか?
人口千人の瀬戸内の島に産廃90万トンが不法投棄され、甚大な健康被害と環境汚染が生じた「豊島事件」。責任は行政の不作為にあるのか、事業者にあるのか? 島民は一致団結できるのか? 反対運動に身を投じ、県議を二期務める一方、一転ホームレス状態にも陥った、闘争の中心人物が、世界に類のない「全量撤去」実現の過程を内側から描く
●石井亨(いしい・とおる)
1960年香川県豊島生まれ。1984年ビッグベンドコミュニティーカレッジ卒。元香川県議会議員、元廃棄物対策豊島住民会議事務局、元豊島公害調停選定代表人。著書に『未来の森』(農事組合法人てしまむら、2007)、共著書に『戦う住民のため のごみ問題紛争辞典』(リサイクル文化社、1995)『住民がみた瀬戸内海――海をわれらの手に』(環瀬戸内海会議編、技術と人間)、論文に「小論・豊島事件と住民自治」(『都市問題』91巻3号)ほか。

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本文より
豊島(てしま)事件――おそらくそれは、人類史上に残る挑戦である。
有害産業廃棄物により汚染された土壌および地下水を、廃棄物の除去・無害化とともに再利用し、環境基準に達するまで浄化する。果たしてそれは、自然科学的に、あるいは社会科学的に可能なことなのか。未だかつて達成したことのない、この問いに向き合う歴史は、今年四三年目の春を迎える。
本書は、我が国最大と言われた豊島有害産業廃棄物不法投棄事件が、香川県の判断の誤りと、その後繰り返される過ちの結果であることを突き止め、全国の方々の支援をうけて全面撤去を勝ち取り実現させた豊島住民運動の歴史を記したものである。
また、なぜこれほどまでに過酷な運動を維持できたのか、運動を通してステークホルダーとして成長していく豊島の運動に迫り、併せてその運動に翻弄される筆者の人生にも目を向けた記録である。
●中坊公平氏(豊島事件弁護団長)のことば
「豊島の人の中に、当たり前のことかもしれんけど、やはり己の立場、自分の立場がすべて前提であって、ほんまに島のことのために自分は犠牲になっても良いというパブリック(公)のものの考え方がないのではないか。だれでも持たないのが普通だけど……
あんたらの運動は犠牲を払ってでも追い求めている姿が共感を呼んでいた。いささかでも「私」が見えたら落下するんですよ……
知事に抗議してどないなりますか、抗議するんやったら自分自身に抗議しなさい……
あんたらは希望の星なんやから。産廃に悩む多くの人があちこちにいて、あんたらを見てるのやから。過疎地の人が見てるのやから。この道は引き返すことができない……」
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